自分の手作りでお店を作る自信がなかったり、
「 はじめてのお店なのでそれなりにキチンとした店構えでスタートしたい!」
という考えの方もいらっしゃるでしょう。
また、あなたが作りたいと思っている雑貨店のイメージが、どうしても「手作り感覚」ではダメ(無理)というような場合も、専門の業者に依頼して希望(イメージ)にあった内・外装をしてもらうようになります。
専門の業者に頼めば、あなたのお店のイメージと希望を伝えるだけでちゃんとした図面と完成予想図を作成・提示してくれます。 床や壁面も新しくきれいに張替えて、全体的にバランスのとれた統一感のあるピカピカのお店が出来上がります。
雑貨店をのぞいたほとんどのお店は、通常はこのパターンなので、この項の最初の部分で解説したような手順で、お店の改装が進行してゆきます。
改装業者は、お世話になった不動産屋でも紹介してもらえるでしょうし、タウン・ページやネットで【
○○市・郡・町 店舗内装業者 】 や 【 工務店 】 などで検索すれば、さまざまな業者を簡単にピックアップすることもできます。最近ではどの内装業者も自社のHPを設置して、今までの施工実績を公開しています。
ただ、こちらの要求をビシ!ビシ!遠慮しないで伝えるためにも中途半端な知り合いや縁故関係は避けておいたほうが無難ともいえます。
それでは店舗改装業者に依頼する場合の注意点をいくつかご紹介します。
改装業者にもおのおの専門分野があります。たとえば飲食店の改装が得意な業者に雑貨店の工事を依頼した場合は、仕上がりはそれなりに見栄えも良くきれいでも、使い勝手において不便、不満な点が必ず出てきます。わたしの経験上からいってもまず間違いありません。
棚板の高さがお客さんの目線にあっていなかったり、レジカウンターがやたらと小さいなど、スペースの有効利用がうまくできていなかったり、模様替えのときにレイアウトが変更し難いなどなど… レジカウンターひとつを比べてみても、飲食店の場合は、お金の精算用だけを目的としていますが、雑貨店ではその上で商品の包装作業をしたり入荷商品の伝票チェックをしたりとさまざまな用途にもちいますから必然的にある程度の広さが必要になります。
それがどれくらいの大きさであればよいのかが、物販店(物を販売するお店)を多数手掛けた改装業者であれば、だいたいの基準がわかりますが、飲食店ばかりをやってきた業者では、経験値が少ないのでそれがわかりません。
このような細かい問題点が、お店を営業してゆくにしたがってかならず発生してきます。
繰り返しになりますが、まず間違いありません!
あなた自身がこれまでに、何軒かのお店をオープンしてきた経験があるならば、図面チェックの段階で細かい注文や修正をすることもできるでしょう。しかし、今回がはじめてのお店作りの場合は、何もわからないためについつい業者のいわれるままに改装仕様を決めてしまいがちになります。
改装工事に保証期間はありません!オープン後すぐに不具合が生じて、修正工事をしてもらったとしてもその費用はシッカリと請求されます。
業者にとっては仕事であれば、たとえこれまでに請け負ったことのない雑貨店・雑貨ショップの改装工事でも喜んで引き受けますから、あなたが開業後に後悔してもあとの祭りでどうしようもありません。
このような失敗をしないためにも、改装業者に問い合わせをする時にはかならず、得意分野や今までの改装実績をおしえてもらい、実際に工事をおこなったお店をあなた自身の目で細かくチェックしておくことをおすすめします。
その際、本当のことは話してくれないかもしれませんが、お店の人(経営者)にもその業者の仕事内容や対応(アフターを含め)に、何か問題はなかったかをたずねてみましょう。
これまでの実績をアヤフヤに誤魔化すような改装業者は仕事もいい加減なんです。
とっとと見切りをつけて他の業者を探すのが賢明ともいえます。
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必ず複数(3社がベスト)の業者に見積書を出してもらう |
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改装工事には一般的に市販されている商品のように明確な価格(定価)はなく、基本的には坪あたりの単価で計算されます。
5坪のスペースで単価が50万円ならば、
5 × 50 = 250万円 の改装工事費が必要ということになります。
このような大ざっぱな見積書を、ひとつの業者にだけ提出してもらっても果たしてそれが適正価格なのかどうなのか?を初心者では判断できません。
そこで3社ほどに見積書を提出してもらえば、それぞれを比較検討できますし、およその相場もわかります。業者にしても割高な工費の請求はできなくなります。
改装工事などをする前は、複数の業者に見積書を要求するのは今では当たり前なので、その点は業者サイドもわかっていますから全然気にすることはありません。
業者から提出された見積書の内容で不明な点は遠慮しないでどんどん質問しましょう。
見積書には「○○工事一式で○○万円」という計上の仕方をよくしますが、「床は床!」「壁は壁!」というようにその細部まで、できるだけ確認しとくべきです。
信頼できる業者の見積書なら「単価○○円の床材が○○uで○○円」というように、具体的に個別の費用を表示してくれていますが、いい加減な業者は全てが大雑把です。
たぶん「これくらいの広さだから、まぁこれくらいだらう…」というような、信じられない算出方法をしているのだと推測できます。
工賃の価格設定もあやふやで、業界体質もなにかにつけて大雑把な面がありますから、そのペースに巻き込まれるとあとで(開業後)必ず痛い目にあいます。
はじめて見る見積書には、わけのわからない専門用語がいっぱいですが、「素人さん」だとなめられてはいけません。どんどん質問して「うるさい客」になりましょう。
保証金や敷金などはその金額に納得して契約すればその後に上がるようなことはありませんが店舗改装費の場合は最初の予算通りに収まらない場合がよくあります。
いざ工事をはじめてみて
「天井裏に予想外のジャマな柱がとおっていたから電気工事の追加工賃が○○円必要」など予期しない費用がかかったり、悪質な業者などは完成した後で請求書に「差額工賃○○円」とか書いてきます。
あなたが「そんな話は事前に聞いてなかったけど…」と文句をいってみても、あとの祭りです。予算枠いっぱいで工事を発注していた場合、そのような事態になると予想外の出費にたちまち困ってしまいます。
そのようなことのないように、あらかじめ
「予算の限度額は○○○万円でこれ以上はビタ一文支払えません!」
くらいの心構えで業者にはっきりと意思表示しておくことも必要です。
それだけいってても最終的にいくらかの差額が出ることもよくありますから、できれば提示するあなたの予算の9割くらいをメドに限度設定をしておきましょう。はじめにきっちりといっておけば相手もプロなのでいったん引き受ければ、予算内で仕上げようとしてくれます。
専門の改装業者に依頼するときは、以上のようなチェックポイントをよく注意して下さい。
何百万円単位の改装費を払うことになるのですから、店舗物件を選ぶのと同じくらいに慎重になることが必要です。
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