それではここで手作り内装の具体的なパターンをひとつ紹介してみます。
5坪の正方形の店舗スペースならば一辺の長さは約4mになります。角地でない場合、通常は四辺のひとつが正面(道路に面した入り口部分)になり、ガラス系の壁面にドアが取り付けられているか、壁なしで開放されているか、のどちらかです。この正面部分をのぞいた残りの三辺のうち、レジカウンター面以外の二辺が完全有効面となります。
通常の雑貨店では、この部分に背の高い棚板式のラック(本棚タイプ)を配置して、できるだけ多くの陳列スペースを確保します。
次は中央部分に ”丸テーブル” やひな段式の ”ディスプレー台” などを置いてテーブルの足元を雑貨店の必須うアイテムともいえる大小さまざまなサイズのバスケットかごなどで埋めて行きます。
そして最後に、レジカウンター周辺の空きスペースに適当なサイズのディスプレー什器を配置すれば雑貨店の基本形はできあがりです。大小それぞれの陳列什器に商品をならべれば「あなたの雑貨ワールド」の完成です。どうでしょうか?すごく簡単ではありませんか?
棚板式の ”ラック” や ”丸テーブル” などは、日曜大工センターやリサイクルショップ、家具店などであなたのイメージにマッチするモノを買ってきてもかまいませんし、木材から自分で作ってもかまいません。 極端な話、テーブルの代わりにダンボールの空き箱をシャレた布で包んで使っても良いんです。
わたしのお店でも手芸屋さんで、常にいろいろな端切れを買い込んで季節や祭事にあわせての模様替えに使っています。
たとえば雑貨店にとって最大のイベントであるクリスマス前には、赤と緑の布や端切を棚板やテーブルにうまくかぶせて、その上にパーティ用のバックとアクセサリーをディスプレーすれば手軽に季節感を演出できます。
布やタイル、ブロックなどの手軽な小物をセンスよく組合せて使えば、たとえあなたが日曜大工で作ったテーブルであっても見違えるように立派な
” ディスプレー什器 ” となります。
このように安く仕上げようと思えば、あなたの創意工夫しだいで専門の業者に発注して改装してもらったのに負けないくらいのレベルのお店を
「手作り 」 で完成することもできます。
「 いかにしてお金をかけないで素敵なお店を作ることができるか? 」
まさに雑貨店ならではの手作り改装 が可能なのです。
しかし、ここで注意していただきたいのは、日曜大工センターなどで売られているラック類は基本的に商業利用を目的に作られていませんので、お店の什器としては耐久性と使い勝手の点で多少の不便・不満があります。
そこでわたしがあなたにおすすめするのは、あらかじめ
「 商業店舗向けに作られた格安の什器 」 を利用することです。
専門の業者に発注して作ったモノに比べて格安の値段で店内のほぼすべての陳列什器を揃えることができます。その上細かい点まで使い勝手をよく考えて作られていますし、オプションのパーツも豊富で、さまざまな商品の陳列に柔軟に対応できるように作られています。
しかし、このような 「 店舗作りにとってとても便利な什器類 」 は、業者向けになるため、一般のお店では取り扱っていません。
それでは「いったいどこでそのような什器を購入できるのか?」
わたしがあなたにご紹介するのは、大阪にある「セルフ大西 」という大型卸し問屋が経営している「店研創意
」というお店です。店舗開発向けにローコスト(格安)で売り場を作るためのさまざまなディスプレー商品を販売しています。
壁面部分を有効利用するための木製大型什器などは棚板の高さも自由に調節でき、「ガラス天板」か「木製天板」をお店の雰囲気にあわせて選べます。
そのほかにも、棚板を取り外して洋服をかけるためのハンガーラックにも手軽にチェンジができ、いちばん下に在庫商品をしまっておくための「 収納BOX
(キャスター付き)」 を設置するなど豊富なオプションを使って、あなたの希望にそった組み合わせが自由に選べます。もちろん、商業用なので強度面も問題なく、耐荷重も高いです。
このラックは組み立て式タイプで、
ラックを3台連結すれば、112455円で店舗内の一辺の壁面を有効利用できます。
このほかにも材質の異なったさまざまな什器類もたくさんあり、どのタイプもオプションを組み合わせれば多目的な使用ができます。
また木製とは違った雰囲気を演出できるスチール製の「 ヨーロピアン・スタイル什器
」やピアスやイヤリングを陳列できる「 卓上パネル 」、「 ハンガースタンド
」などの小物類は、店舗内でチョットしたポイント商品のディスプレーにはもってこいです。
これらの店舗什器類をうまく使えば、50万円以内であなたのお店のすべての陳列什器をそろえることも可能です。
うまくイメージの統一をはかりながら店舗内什器をそろえて行けば、格安の資金と簡単な作業だけで小さな雑貨店の内装ができあがります。
照明器具も ”スポット可動タイプ” などがいろいろあるので、あらかじめ天井部分に配線ダクトが備わっていればあなたのお好みのスポット照明をはめ込むだけでOK!です。
配線ダクトが備わってない場合、電気配線をしなければならないので素人が取り付けるのは無理ですから、これだけは電気工事の専門業者にたのまなければなりません。
解説) 配線ダクトとは棒状の長いフックで、その中で照明器具を自由に動かすコトができます。
プロにとっては、比較的簡単な工事ですから個人経営の町の電気屋さんでも、やってくれるお店もありますから、2,3件問い合わせて工事費用をきいてみると良いでしょう。
実際に店研創作意でどのような店舗什器類が取り扱われているのか、次ページに店舗を作る上で必要となる、レジカウンター、ラック什器、ディスプレーテーブル、ショーケースの項目の中から何点かをピックアップしていますので、ご覧になって下さい。
|