ショップをオープンして軌道にのるまでは、スタッフの雇用はできるだけガマンして、あなたひとりでがんばりましょう。経営が安定するまでは、毎月の必要経費をおさえるように常に心がけなければなりません。
スタッフを雇えば、いくらお客さんがまったくこない開店休業のような状態であるとしても、その間の時給○百円は、給与として払わなければなりません。
雇用主であるあなたは、スタッフである他人の時間を給与というお金(対価)で買っているわけですから。
一般的に人件費は、家賃などの固定費の次に経営の負担となるウエイトの高い経費となります。大企業から中小零細企業にいたるまで、不況となれば、まずまっ先におこなわれるのが給与のカットと人員の削減(リストラ)です。
パートやアルバイトではなく正社員として雇用すれば、年2回のボーナスや各種保険料(社会保険料は半分負担)など、年間をトータルで考えた場合、1人のスタッフに払う金額は半端な額ではありません。
どんどん売り上げをかせいでくれて、あなたがいなくてもお店の運営を問題なく安心してまかせられるような優秀な人材ならまだしも、ただ時間が経つのをジッ〜と待っているような使えない人材になんかオーナーの立場としては、1円でも払いたくないですよね!?
スタッフの良し悪しにはかなりの差がありますが、あなたが支払う金額(賃金)はどちらも同額で支給しなければなりません。
雑貨ショップのスタッフは、スーパーやコンビニみたいに、ただレジを打てば良いというわけにはいきません。それなりにうまくお客さんとコミュニケーションを交わすことによって日々の売り上げは、かなり左右されます。
ましてや、限られた狭いスペースのショップならば、そのスタッフの雰囲気によって、店内の空気にも大きく影響してきます。お客さんに対してあいさつも満足にできない暗い表情のスタッフがいたら、店内全体がそれだけで重苦しい空気になってしまいます。
お店に入ってきたお客さんは、かならず敏感にその雰囲気を感じて、目的買い以外なら、早々と店内を見回すと居心地が悪くなって出てゆかれます。
その反対に笑顔の素敵な明るいスタッフがいたら、店内は自然と活気づき、その気がなかったお客さんまでつい何か買って帰りたくなったりするもんです。
このようにスタッフのタイプ、人柄によって、小さなショップの売り上げはかんたんにプラスにもマイナスにもなってしまいます。
それほどスタッフの雇用はあなたのショップにとって影響力が大きいといえます。
安易に「自宅がお店の近所だから交通費がいらない」とか「あなたの希望とする出勤時間帯の条件にあてはまる」という理由を優先して決定してしまうと後々後悔するかもしれません。
いちど雇用してしまうと本人に明らかな落ち度でもない限り、辞めてもらうのはなかなか困難労力が必要です。
わたしの同業者仲間の中にも、勤務態度の悪いのを指摘して改善するように求めたところ、逆ギレされてしまい、ケンカ別れのような形で辞めてゆきました。
その後ネット上でお店のイメージを損なうような悪口等を匿名で書き連ねられほとほと弱っていました…
人件費を払って、ショップにとってマイナス効果になったならまさに踏んだり蹴ったリです。
その他にも勤務中の携帯ゲーム、許可のない値引き販売、不可解な盗難、つり銭の間違い、などといった問題が生じるケースもありますから、経営状態が安定するまでは他のスタッフを募集しないで、あなたひとりでやってゆくのがいちばん賢明です。
あなたが作り上げたお店にとっては、あなた以上のスタッフは存在しません。
息抜きに外でランチを食べたい時や、あらかじめどうしても外出しなければならない用事がある時などは、家族や知人の助けを借れば、あなたひとりでも充分にやってゆけるはずです。
しかし身近にそのような人たちがいなくて、どうしてもあなたが必要と感じるならば、できるだけ最小限
(1日2〜3時間 ) の範囲でパートさんを募集してみましょう。
中途半端な就労時間に思えるかましれませんが、小さな子供を持つ主婦層には、案外これくらいの時間を希望している方は多いです。
このような方たちは、そのほとんどが結婚前にそれなりの仕事を経験されていますから仕事内容の飲み込みも早く、ある程度は即戦力となる可能性も高いです。あなたとの相性と明るく活発な雰囲気さえあえば、比較的「アタリ・ハズレ」は少ない層といえます。
このようなパート募集以外にも、今のショップの状態 ( 売り上げ ) によっては、将来的に2店、3店と出店してビジネス規模を拡大してゆく場合においては、どうしてもスタッフに、あなたのショップをまかせなければならなくなります。
そうようなケースも踏まえたうえで、次の項でショップのスタッフ募集方法をいくつかご紹介しますので、よかったら参考にしてみてください。
|